換気システムには種類がある?換気システムの重要性についても解説!
毎日多くの時間を過ごす家。そんな家で快適な時間を過ごせるよう、空気環境はとても大切です。そのため、最近の家には必ず24時間換気システムがついています。しかし、この24時間換気システムには種類があるのをご存じですか?この記事では、換気設備の種類と、換気設備の重要性を解説します。
なぜ住宅には換気・換気システムが必要なのか
そもそもなぜ、住宅には換気設備が必要なのでしょうか?その理由を詳しく見ていきましょう。
汚れた空気を入れ替えるため
換気設備は、室内の汚れた空気を綺麗な空気と入れ替えるために必要とされています。空気には、さまざまな汚染物質が含まれています。埃やダニ、細菌、花粉、黄砂などの粒子や、一酸化炭素、二酸化炭素、硫黄酸化物、臭気、ホルムアルデヒドといった気体などです。
これらの汚れた空気を外に排出しないままでいると、シックハウス症候群などを引き起こし、人体に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、換気設備で外の綺麗な空気と入れ替える必要があるのです。
湿度をコントロールするため
換気設備は、湿度をコントロールするという役割もあります。室内に湿気がこもり湿度が上がると、家の構造部分に結露やカビが発生してしまいます。結露やカビは人体に悪影響を与えるだけでなく、家そのものが腐ってしまう原因になります。そのため、家を長持ちさせるためにも換気設備で湿度をコントロールするのです。
3種類の換気システムとは
住宅の換気設備は、大きく分けて3種類あります。24時間換気システムの設置自体は義務付けられていますが、どの換気設備をつけるかは定められていません。そのため、新築一戸建てを建てる際は自分で換気設備の種類を選ぶ必要があります。
第1種換気システム
給気と排気の両方を機械で行う換気設備です。機械で強制的に換気をするので、安定した換気ができます。さらに、第1種換気システムに熱交換器を加えれば、給気と排気の間で熱交換ができ、冬は外の空気を暖かい空気に、夏は冷たい空気に交換してから給気が可能です。
そのため、1年中快適な住環境を整えられるという魅力があります。ただし、第1種換気システムはすべてを機械でするため、費用がかかるというデメリットがあります。
第2種換気システム
給気は機械で、排気は自然に行う換気設備です。機械で給気を行うと、室内の空気は入ってきた空気と同じ分だけ、外に出ようとします。そうしなければ、室内の気圧が上がってしまうからです。第2種換気システムはこの仕組みを利用し、自然に排気ができるようにした換気設備です。
ただし、自然に排気をする換気だと湿度のコントロールが難しいため、住宅で使われることはほとんどありません。クリーンルームや病院などで採用されています。
第3種換気システム
給気を自然に行い、排気を機械で行う換気設備です。第2種換気システムの原理と逆で、機械で排気すると室内の気圧が外よりも低くなり、自然に家の中に空気が入ってくるようになります。
どの換気システムにするか迷ったら第3種換気がおすすめ?
24時間換気システムの設置は法律で義務付けられているため、家を建てるときはどの換気設備を設置するか選ばなければなりません。どちらの換気設備にしようか迷っている方におすすめなのは、第3種換気システムです。一体なぜでしょうか?第3種換気システムをおすすめする理由を見ていきましょう。
費用が安い
第3種換気システムは、費用が安いです。排気のみ機械で行い、給気は自然に行うため、設置費用、維持費用ともに第1種換気システムよりも安くなります。ほかにもさまざまなことに費用がかかる住宅ですが、第1種換気システムにと第3種換気システムのどちらを選ぶかで、費用の違いは数十万ともいわれています。
第3種換気システムなら、ダクトを使わずに壁付けの換気扇を使えば、設置費用は数万円です。
機械は排気だけなのでメンテナンスしやすい
第3種換気システムは、機械を使うのは排気のみのため、機械が故障したときなどのメンテナンスを最小限に抑えられます。また、第1種換気システムは定期的なダクトのクリーニングが必要ですが、第3種換気システムならそれも必要ありません。メンテナンスのしやすさは、暮らしやすさに直結するでしょう。
給気にダクトを使わないので結露しにくい
第1種換気システムはダクトの設置が必須なのに対し、第3種換気システムはダクトの設置は必須ではありません。ダクトを設置するにしても、使うのは排気のときだけです。ダクトは、給気に使用するとフィルターにカビが生えたり、ダクトそのものが汚れたりする可能性が高いです。
しかし第3種換気システムなら、ダクトを使用するにしても排気のときだけなので、結露がしにくくなります。
まとめ
住宅の換気設備の種類と重要性について解説しました。住宅に必ず設置しなければならない24時間換気システムは、家の中では地味な設備かもしれません。しかし、住む人が吸う空気の綺麗さに直結する、大切な役割を担っています。これから家を建てる方は、換気設備の種類とそれぞれの特徴を理解したうえで、最適な換気設備を導入してください。